この記事はPokémon Past Generation Advent Calendar 2023の96日目の記事です。
第1回関東エメラルドフェスタのポケモンフェスタ2003ルールで使用した構築。
結果 優勝
予選 5-1 1位抜け
準決勝 エギナ◯
決勝 poe◯
大会概要
ポケモンフェスタ2003ルールとは
【簡易パーティ紹介】
ヘラクロス 根性 361-361-185-*-236-218
メガホーン、瓦割り、目覚めるパワー岩、守る
カイオーガ 雨降らし 399-*-279-369-316-222
波乗り、冷凍ビーム、毒々、守る
ルンパッパ 雨受け皿 363-*-176-216-328-178
ギガドレイン、宿木の種、毒々、守る
【概要】
ポケモンフェスタ2003環境で非常に強力なラティやレジアイスへのカウンターとしてヘラクロスを先発にした構築。
後発には受け性能と火力を両立できるカイオーガと詰め筋が強烈な雨受け皿ルンパッパを置いて定数ダメージで詰め切ることを目的とした。
ベースはpoeさんが前回使用した構築でそれを参考にしつつ、ミラー対策などをパーティに入れた。
立ち回りは参考にした構築と同じでヘラクロスとカイオーガで頭数を減らして雨受け皿ルンパッパで詰め切る。
参考にした構築
【構築経緯】
ポケモンフェスタ2003ルールではラティオスやラティアス、レジアイスやレジスチルといったポケモンと伝説のポケモンのカイオーガ、グラードン、レックウザで組んだ構築が非常に多い。
その中でも先発にラティ＋後発レジ＋＠のスタンギミックが環境の一つとなっている。
ラティオススタン
ラティアスサイクル
ラティが多い理由としては強力なポケモンであるカイオーガ、グラードンに対して強いポケモンで雷や冷凍ビームを自然と採用できる他、素早さも高く、瞑想や自己再生など幅広い役割で使うことが出来る。
一方レジアイスやレジスチルはそれらに対して強く、ドラゴン氷技の半減や大爆発などで安定して受け出しつつ役割遂行することが出来る。
そのためラティ先発のスタンやミラーを意識して先発にレジを置いた構築が環境の半分以上と考えてもおかしくない。
ミラーを意識したスタン
それらの構築に非常に強いのがヘラクロスで今回はヘラクロスを軸にパーティを組もうと考えた。
ヘラクロスは耐久を振ることでラティオスのサイコキネシスさえも耐える十分な耐久を持っているため先発に置いても安定した役割遂行が出来る。
ただ耐久の高めのヘラクロスといえカイオーガのような圧倒的な火力を持つポケモンには一撃で落とされる可能性があり対面不利となる。
なので水技を受けられる非常に強いコマが必要となった。
そこで前回poeさんが使用していたカイオーガ＋雨受け皿ルンパッパを参考にして対カイオーガをルンパッパに任せるような構築にしようと考えた。
poeさんの構築
この構築は非常に分かりやすく強い勝ち筋を持っているため大会でも活躍を出来ると考えてヘラクロス＋カイオーガ＋ルンパッパで行こうと考えた。
初期のパーティ案
| ポケモン | 特性 | 配分 | 技 | 技 | 技 | 技 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ヘラクロス | ？ | ？ | メガホーン | 瓦割り | ？ | ？ | なし |
| カイオーガ | 雨降らし | 控えめHB | 波乗り | 冷凍ビーム | 雷 | ？ | なし |
| ルンパッパ | 雨受け皿 | 穏やかHD | 冷凍ビーム | 宿木の種 | 毒々 | 守る | なし |
パーティの基盤が出来たので次に中身を考えていった。
今回大会に出るにあたって露骨にメタを張って勝ちに行くことを目標とした。
昨今の過去作環境において対戦相手は殆んど顔見知りであるため、プレイヤー間の得意なパーティや戦術はある程度予想できると考え、それらの対策を戦術に組み込もうと考えた。
まず自分の大きな障害になる一番強いプレイヤーのpoeさんのメタを真っ先に考える必要があった。
poeさんは今回のオフの主催であり3世代では一二を争うプレイヤーであり、こと2003ルールにおいても様々な革新的な構築を考えている。
なので最低限過去のpoeさんには勝てる構築を考える必要があった。
過去のpoeさんの構築で強烈な強さがある構築は2つで1つは参考元になっているオーガルンパ。
もう一つはHDテッカニンを軸にしたバトンパーティである。
特にテッカニンバトンに関しては2年前のオフ会の決勝で負けているため、負けたくないという思いが強くあった。
パーティの基盤は出来上がっているのでこの2つのメタを中心に細部を考えていくことにした。
まず上のオーガルンパに関してはヘラクロスがいるため構築自体で既に有利と考え、素早さをブログに載っている配分より早めにして有利にする程度で十分だと考えた。
問題はヘラクロスが初手でかち合うテッカニンバトンだが幸いHD振りテッカニンであるため、燕返し程度なら耐久振りでなんとかなることが分かった。
なので岩技を忘れず採用して初手で確実にテッカニンを倒して後発のルンパッパで詰めればおそらく勝てると算段がついた。
構築中期
| ポケモン | 特性 | 配分 | 技 | 技 | 技 | 技 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ヘラクロス | 根性 | 意地HAS | メガホーン | 瓦割り | 岩技 | ？ | poeさんのオーガ抜き |
| カイオーガ | 雨降らし | 控えめHBS | 波乗り | 冷凍ビーム | 雷 | ？ | poeさんのオーガ抜き |
| ルンパッパ | 雨受け皿 | 穏やかHD | 冷凍ビーム | 宿木の種 | 毒々 | 守る | なし |
poeさんの過去の構築はある程度目処がついたと考えて残りの技を考えていくことにした。
現時点だとレックウザに勝つことが非常に厳しく、カイオーガが大爆発などで失う場面ができるときつい展開が多いと考えた。
なので岩技は威力の低い岩石封じではなく目覚めるパワー岩に余った技スペースに守るを採用して大爆発のケアをするようにした。
副産物として毒々や宿木の定数ダメージを稼げる他、釣り交換してくる相手に守るで技を見てから行動できる様子見もできるのが役に立つと考えた。
構築終期
| ポケモン | 特性 | 配分 | 技 | 技 | 技 | 技 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ヘラクロス | 根性 | 意地HAS | メガホーン | 瓦割り | めざ岩 | 守る | poeさんのオーガ抜き |
| カイオーガ | 雨降らし | 控えめHBS | 波乗り | 冷凍ビーム | 雷 | 守る | poeさんのオーガ抜き |
| ルンパッパ | 雨受け皿 | 穏やかHD | 冷凍ビーム | 宿木の種 | 毒々 | 守る | なし |
これで完成としようとしたがカイオーガの雷とルンパッパの冷凍ビームに疑問があり変更を考えた。
カイオーガの雷はカイオーガミラーで主に打つものであるが今回のカイオーガはかなり遅めにしているため打つタイミングが非常に少ないと考えた。
またレックウザ入りに関してサイクルする時にレックウザからレジアイスに引く際にいいっ関する技が欲しいと考えた。
そこで思い切って雷を外し毒々を採用してサイクルで非常に強く出れるようにした。
またそれに伴ってルンパッパの対カイオーガの負担がよりキツくなったので草技の打点が欲しくなった。
候補はめざ草かギガドレインだったが回復手段の強さでギガドレインを採用した。
あとは努力値を調整して完成とした。
大会で使用した構築
| ポケモン | 特性 | 配分 | 技 | 技 | 技 | 技 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ヘラクロス | 根性 | 意地HADS | メガホーン | 瓦割り | めざ岩 | 守る | poeさんのオーガ抜き |
| カイオーガ | 雨降らし | 控えめHBS | 波乗り | 冷凍ビーム | 毒々 | 守る | poeさんのオーガ抜き |
| ルンパッパ | 雨受け皿 | 穏やかHD | ギガドレイン | 宿木の種 | 毒々 | 守る | なし |
構築の出来はかなり良いがパーティ全体が遅く運負けしやすいので運が良ければ優勝、大きな下振れをすれば全敗かなという感じで大会に臨んだ。
物理レックウザは当たらないことでケアした。
【パーティ詳細】
ヘラクロス
性格：意地っ張り
実数値：361-361-185-*-236-218
努力値：240-172-0-*-44-52
個体値：31-31-30-*-30-30
特性：根性
技：メガホーン、瓦割り、目覚めるパワー岩、守る
調整
A：
H364-B216(H252振り)ラティアスをメガホーンで確定1発
H364-B236(H252)レジアイスを根性瓦割りで確定1発
無振りレックウザを目覚めるパワー岩で乱数2発(97％)
B：
A438(意地A252振り)グラードンの地震＋恩返し確定耐え
D：
C394(控えめC252振り)ラティオスのサイコキネシスを66％で耐え
C394ラティオスの瞑想雷2耐え
S：無振り90族+2
先発のラティ系レジ系を意識しつつテッカニンなどを意識した配分。
当初はHA振りでの運用を考えたがDに割くことでラティオスへの遂行が上がることが分かったので無理のない程度に特殊耐久を振った。
素早さはpoeさんの無振りカイオーガ+2にして殴り合いになった際に有利にするようにした。
カイオーガ
性格：控えめ
実数値：399-*-279-369-316-222
努力値：232-*-252-0-0-24
特性：雨降らし
技：波乗り、冷凍ビーム、毒々、守る
調整
B：
A438(意地A252振り)レックウザ竜舞破壊光線確定耐え
C：
H301-D256ラティオスを冷凍ビームで198～
H301-D256ラティオスを雨波乗りで110～
H301-D256ラティオスの1瞑想後に冷凍ビームで132
=急所orD+0ラティへ波乗り+D+1ラティへ冷凍ビーム2回で倒せる
H404-D216(H252振り)グラードンを冷凍ビームで2発
S：
無振り90族+4
グラードンやレックウザと戦えるように物理耐久に厚く振った配分。
耐久振りカイオーガやグラードンのために少し素早さを振って90族ミラー対策をしている。
雷や瞑想を切っている理由はカイオーガが雑に使われて削れている場面が多く予想されカイオーガミラーでの殴り合いは厳しいと判断したから。
毒々の採用は相手のカイオーガ受けになるラティオスやレジアイス、ルンパッパに通りが良い。
また地味にキノココが苦しい構築なので先に毒を入れてルンパッパとサイクルして毒で倒し切るプランにした。
守るはルンパッパバックと合わせて三回毒ダメージを入れられるのが非常に強い。
大爆発の様子見なども出来るので非常に有用な技となる。
ルンパッパ
性格：穏やか
実数値：363-*-176-216-328-178
努力値：248-*-0-0-252-8
特性：雨受け皿
技：ギガドレイン、宿木の種、毒々、守る
調整
B：
→雨受け皿の回復を守るを2回挟み4回することで乱数3耐え
C：
H404-D216(H252振り)グラードンをギガドレインで98％で3発
D：
C438(控えめC252振り)カイオーガの瞑想雷を雨受け皿と宿り木回復込みで2耐え
C438(控えめC252振り)カイオーガの瞑想3回雷を耐える
S：
無振り70族+2
特殊受けに特化したルンパッパ。
この環境に多いラティオスやカイオーガに強く出ることが出来る。
配分は元の構築と一緒で違いはギガドレインの採用だけになる。
ギガドレインはカイオーガやグラードンへの遂行速度を少しでもあげようということで採用した。
冷凍ビームの方が欲しい場面はあったがギガドレインのおかげで有利になった試合もあるので一長一短に思えた。
【基本的な立ち回り】
基本方針
ルンパッパを生存させて詰めに行く。
初手ラティ系
先発ラティオスは後発カイオーガがやや多いので対グラードンは少し甘めに見てカイオーガを雑に扱っても良い。
先発ラティアスならグラードンがいそうなのでカイオーガを少し大事にする。
初手レジ系
初手レジは初手ラティ系に厚くしている構成という予想から後発にレックウザがいるパターンがあり少々警戒しないといけない。
素直に瓦割を打つのではなくめざ岩から入るなどの工夫が必要。
初手オーガ系
ルンパッパを投げてサイクルを回せば基本的には有利な相手。
カイオーガとヘラクロスでなるべく数を減らす立ち回りをしてルンパッパ仁王立ちで詰める。
初手レック系
非常に苦しいのでカイオーガからのサイクルで誤魔化してなんとか定数ダメージでレックウザを倒すのを目標にする。
この相手だけはルンパッパの優先度が若干下がる。
【大会簡易ログ】
ちゃんとメモを取ってないので適当です
予選
ウホホウホさん ◯
めざ飛行でヘラを倒され厳しい展開だったもののニ度の急所で捲くって勝ち。
アム丸さん ◯
ルンパッパで受けつつヘラクロスで負担をかけてルンパッパで詰めて勝ち。
ピーナツさん ✕
いつも使ってくるアイスキノココレックだと考えて交代読みでめざ岩を打ったら大爆発で11交換される。
レックウザから来ると面倒なのでカイオーガを出したらキノココから来る。
茸の胞子は受けられないので毒々を打ち宿木をルンパッパで透かしながらサイクルしてルンパッパとカイオーガの1対1を作ったものの瞑想2回雷急所で負け。
yasuさん ◯
初手オーガには安定のルンパで受ける。
yasuさんはキノガッサ入りをよく使うイメージあったので宿木ではなく毒から入るとキノガッサに交代。
キノガッサは毒ダメージで倒すと決めていたので守ると格闘半減のヘラクロスで受け回してキノガッサを突破。
ポポッコさん ◯
先程の対戦でめざ岩打ったら大爆発されたので今回は守るから入ったらレックウザを無償降臨される。
カイオーガで受けたらドラゴンクローを打たれ特殊型だったのでワンチャンありそうな展開。
レジアイスで受けてくるところに毒を打ったものの外れ。
電気技読みでヘラクロスを投げると電磁砲で麻痺、交代読みのめざ岩は痺れなど散々な展開になる。
終盤カイオーガとルンパッパどちらを残せば勝ち筋があるか考える場面があり、ルンパッパを残した所そこから大まくりがあり逆転勝ち。
動画化しているので後述に動画を貼っておきます。
おっさんさん ◯
有利構築なのでルンパッパで詰めて勝ち。
カイオーガの毒々はちょっと面倒になりそうだった。
決勝トナメ
準決勝 エギナさん ◯
不穏な初手レックウザだったがカイオーガで受けた所大文字だったので一安心。
プラン通り後発に通る毒々を打ちながらサイクルをする。
中盤で大文字圏内のヘラクロスと削れたレックウザの対面で択になるものの、後発のカイオーガ読みで電気技が来そうな場面であったため、めざ岩を選択してところ10万ボルトが来てレックウザを処理。
あとはカイオーガで詰めて勝ち。
決勝 poeさん ◯
今回の構築の原点であるpoeさんとの対戦。
決勝はXDでの対戦だった。
初手カイオーガが来てHPを確認した所399だったのでブログの構築ではないかと考えてかなり有利な展開だと確信。
予想通り有利に立ち回れたものの途中でヘラクロスがカイオーガに抜かれてブログと配分違くない？と気づいた。
最後はルンパッパで詰めて勝ち。
あとで確認したらブログと素早さ配分を変えていてヘラクロスと同速だったらしい。
【対戦動画】
予選 vsポポッコさん
決勝 vs poeさん
【終わりに】
全体的にかなり運が良くて麻痺をあまり引かずに宿木などの外れも少なかったのが勝因だった気がします。
また今回は個人メタを構築から立ち回りまでに入れられてそれが勝ちに繋がっていたので顔見知りの多い過去作環境ならではの勝ち方が出来たのかなと思いました。
次回はもう少し攻めのサイクルの構築を使っていきたいなと思いました。
関東エメラルドフェスタを開いてくださったpoeさん、きゅうりさん、ピーナツさんありがとうございました。
次回のオフ会も楽しみに待っています。
